Japanese Press  -  レビュー

 

2007 年5 月16 日 水曜日

フェルディジェット

モーツァルテウム管弦楽団首席クラリネット奏者 フェルディナンド・シュタイナーが新CDを発表し

た。ペーター・エーゼンアウアーの素晴らしい編曲による、C.Ph.E.バッハの“ソルフェッジェット”を、シュ

タイナーの兄弟 アンドレアス(打楽器)、イヴァイロ・イオルダノフ(コントラバス)という素晴らしいメンバ

ーと共に録音している。

他にも1926 年オーストリア生まれの作曲家、ヨーゼフ・ホロヴィッツの新ロマン派からインスピレーシ

ョンを得ているという、“ソナタ”を演奏した。ピアノはファウスト・クインタバー、そしてヴェルディ・フラン

セ・ドビュッシーの各曲で共演している、ミヒャエル・ワインガルトマンという2 人が登場している。

フェルディナンド・シュタイナーはクラリネットレパートリーの古典といわれる、ドビュッシーのラプソディ

ーやストラヴィンスキーの3 つの小品などの録音を避けているわけではなく、フランセのスタイル、また

ヴェルディーの椿姫の主題による変奏曲(バリ島出身で、フルート奏者・作曲家のドナート・ロフレグリ

オ(1841-1907)による編曲)、そしてリゴレットの主題による変奏曲(作曲家・クラリネット奏者でルイ

ザ・ミラーの思い出やリゴレットのディヴェルティメントを作曲した、ルイギ・バッシ(1833-1871))など、

今回は本人が最も気に入っている曲を収録している。

音楽的に素晴らしい共演者と共に、多様な方向性や輝き、そして気迫あふれ活気ある素晴らしい

CDになっている。

おそらく編集を少なくし、その分集中して録音しているのではないだろうか。

音楽的で表現豊かな才能のソリスト達に、このCDを通して出会うことができて、非常に光栄である。

マウリツィオ・ビグナリテッリ イタリア・パレルモ在住

音楽家・音楽誌編集者

 

2006 年12 月15 日

添加物なしのモーツァルト

モーツァルトイヤーを直後に控え、モーツァルト作品を聞いた、この感想を述べたい。

今回はこの作品の成立時代と同じく14 人の弦楽器奏者と管楽器奏者、オーストリアを代表するオ

ーケストラ、モーツァルテウム管弦楽団、カメラータアカデミカ・ザルツブルク、ウイーン放送交響楽団

メンバーで構成され、“ザルツブルク・ゾリステン”として演奏していた。

味気ない一定の演奏ではなく、かといって添加物もない素朴な味わいを堪能した。

イ長調のクラリネット協奏曲は、新鮮かつ味わい深く、ソリスト・フェルディナンド・シュタイナーはただ

軽いだけではなく、非常に魂のこもった表現に、アンドレアス・アイグミュラーによるベニー・グッドマン風

オリジナルカデンツも織り交ぜつつ演奏した。

後半は広大なジュピター交響曲という頂点に向かい、様々な輝きを持って、均質なまとまりで、この

アンサンブルは精力的に立ち向かっていき、アンダンテでは内面から細やかに光を放つ演奏であっ

た。

モーツアルト-Light あなたもいかが?

ザルツブルク国民新聞

 

2006 年12 月1 日

リンツコンサート協会オーケストラ ブルックナーハウス・リンツ

フェルディナンド・シュタイナーはモーツァルトのクラリネット協奏曲に、心のこもった活発で愉快な音

を与えていた。

クローネン新聞

ブルックナーハウス・リンツ:ロマンティックな魔法、空想の芸術そして入念さ

若いソリストに出会うということは、音楽家として非常に興味深いものである。

今回はモーツァルテウム管弦楽団で首席クラリネット奏者を務める、フェルディナンド・シュタイナー

である。彼はモーツァルトの有名なクラリネット協奏曲を、鍛錬され、響き豊かな、暖かく丸味のある音

で、バセットホルンを使い、表現豊かな低音を高い芸術性から創造していた。オーケストラの伴奏も、

控えめかつ気品あふれるものであった。

オーバーオーストリア新聞

 

2006 年1 月18 日

クラリネット「嬢」による音楽的視野の広がり

フェルディナンド・シュタイナーの新CD-貴重なヴィルトーゾ

“フェルディジェット”と名付けた新CDは、大半がクラリネット「嬢」の為の曲である、作曲家ブラーム

スは、生涯最後に愛した楽器がクラリネットであった為、「クラリネット嬢」と命名していた。

モーツァルテウム管弦楽団首席クラリネット奏者が演奏するこのCDには、残念ながらブラームスの

作品は収録されていない。彼はブラームス作品よりもヴィルトーゾ的な、他の貴重な曲を収録してい

る。この75 分にもなるCD「フェルディ・トラック」を注意深く聞いてみると、素晴らしく楽しめるものだけ

ではなく、さらに音楽的視野を広げさせる作品があることに気づかされる。

ここに収録されている、今年80 歳になるオーストリア生まれでイギリス在住の、ヨーゼフ・ホロヴィッ

ツのクラリネットソナタを、誰が知っているだろうか? たぶん調性が普通ではなく、ジャズ的過ぎるせ

いか、一般的にはこの亡命作曲家の作品が、まだ実績相応に知られていない。この曲は抜け目なく

巧みに作曲されていて、独自の素晴らしいセンスがある。フェルディナンド・シュタイナーとピアニスト

ファウスト・クインタバーは、ホロヴィッツ作品の非常に良き理解者であった。

シュタイナーは自然な編曲の“リゴレット・椿姫”という、ヴェルディーのヒットソングともいえる曲のミッ

クスで、どれほどクラリネットで美しく歌うことができるかを証明している。

一方痛烈に辛口なストラヴィンスキー作品では、焦点もピッタリとコントロール良く、スパイスの効い

た演奏になっている。

反対に20 世紀で一番軽快な音楽家の一人とも言われる、ジャン・フランセの作品では、大胆かつ

難しい主義主張もなく、意のままの演奏になり、その代わり“Thema con variazioni”では、デリケートで

ニュアンスの幅も広い表現になっており、ドビュッシーのラプソディー第一番では、また色鮮やかな響

きになっている。兄弟でありオーケストラの同僚でもある、アンドレアス・シュタイナーも、思いやりあふ

れるソリストとして、マーク・グレントヴォースの“Blues for Gilbert”で共演している。これほどメロディッシ

ュにヴィブラフォンが響くとは・・・。ところで素晴らしい演奏をする、アンドレアスのソロCDがいつ発売さ

れるのか、これも気になるところだ。このCD2 人目の良きピアニストとして、ミヒャエル・ワインガルトマン

が2 曲のラフマニノフのピアノ曲も収録している。

ところで、まだこのCDタイトル曲“フェルディジェット”を紹介していなかった。ペーター・ヴェーゼンバ

ウアーの愉快なジャズ風アレンジによる、C.Ph.E.Bach の“ソルフェジエット”では、シュタイナー兄弟とコ

ントラバス奏者イーヴォ・イオルダノフが、優れたジャズ奏者でもあることが良くわかる。

www.drehpunktkultur.at

 

2004 年4 月8 日

非常に美しい、ナンテ・モーツァルト音楽祭の開幕

このモーツァルテウム管弦楽団の首席クラリネット奏者を務める、フェルディナンド・シュタイナーは

名曲クラリネット協奏曲を演奏した。彼はとても献身的に、このモーツァルトの明快さを決してナイーブ

にはならず表現しており、さらにビロードのような美しさと、透明かつ明白に流れるような変化を兼ね備

えた演奏であった。さらにバセットホルン独特の音域を、抜群のニュアンスを素晴らしく表現しいた。

一方カデンツでは、オーソドックスでない、現代的なものを選び、ジャズや現代音楽を思い起こさせ

るような、最もヴィルトーゾ的な即興演奏を披露したため、この現代的なものには少し驚かされたが、

聴衆は非常に魅了されていた。

ル・クリエー デ・ロウエ紙 フランス